鶴田公園を守るための趣意書

 大甲橋から立田山への眺めは、白川両岸の大樹の緑と相まって
すばらしい景観をつくりあげ、しかもこの眺めは、敗戦後、緑を
壊して激しく変る熊本市の中でも、いまだに変らない貴重なもの
です。

 その眺めをさらに強めているのが、故鶴田絲平さんが長い間コ
ツコツと私財を投じて育てられた桜の長いトンネルです。百年を
越える大樹群と桜の美しさで作り上げられた景観は、一度壊され
ると二度とつくれないものです。

 この見事な景観が、洪水対策という名目の白川改修工事で、壊
されようとしています。
 洪水対策は、いたずらに川幅を広げ、コンクリートで固め、さ
っさと海に流せばいいものではなく、山の保水力を増すために植
樹につとめ、雨水を地下に戻すために遊水地帯を設けて、流れを
ゆるやかにするなど総合的な対応が必要なことは、専門家ばかり
でなく、広く知られていることです。

 鶴田公園をはじめ、緑の大樹を守ることは熊本市の貴重な景観
を守るためにも、地下水などの自然環境を守ることにもつながる
大事なことだと考えております。
 皆様のご賛同を得て、安易な洪水対策や白川改修といったこと
から、わたしたちの環境を守ることにもつながる「鶴田公園を守
る」ために行動していきたいと思っております。
 署名簿に署名・捺印して下さいますようお願い申し上げます。

     鶴田公園と白川の景観を考える会 代表者 等 泰三
     〒860-0842 熊本市南千反畑町6-13
             Phone/FAX 096-355-3910
 


署名ならびに活動に関しては
E-mailtrockee@hotmail.com
あるいは"Guestbook"にてお問合せください。

または、下記の同会連絡事務所へ、お問合せ下さい。
 〒860 熊本市南千反畑町9-4 中山清酒店
     Phone  096-352-3463


 白川の大甲橋・子飼橋間の改修について

 建設省の地元住民・碩台校区17町内説明会が平成9年
6月26日に行われた。
 まず、昭和28年6月26日の大水害の記録と、平成2年
7月2日の出水記録のりっぱなパンフレットと、
「そして緑が残りました」という改修パンフレットが配
られた。
 44年前のまさにその日に大水害をこうむった住民には、
まざまざと当時を思い出させる舞台装置は完璧であった。
大勢の住民が集まったにもかかわらず、発言者はわずか
6名だった。

 昭和28年といえば、戦中・戦後にかけて阿蘇方面の山の
木も伐採され丸裸であったはずで、三日をかけて降り続い
た雨が、一気に大災害を引き起こしたのだろう。
 44年後の今は状況が変っているはずである。上流の立野
にはダム工事が着々と進んでいる。説明会において、立野
ダムについては貯水能力が低いからと言われたが、巨費を
投じ、あらゆる犠牲を払って工事をするからには、ちゃん
と水害を防ぐ目的をもったダムでなければならないはずで
ある。
 そして、白川の川底をさらえる浚渫工事をきちんとすれ
ばいいのではないだろうか。

 白川は普段はいつ見ても川底が干上がり、ほんの少しし
か流れていない。建設省側は、大津や菊池方面の宅地化に
ともない、水の保水能力がないので、大雨になるとシャー
プに流れてくると言われた。わたしたちはむしろそのこと
を問題にしなければならない。65万人の熊本市民は飲料水
すべてを地下水に頼って生活している。ところが近年あち
こちで地下水の枯渇問題が起こってきている。
 今は早く、阿蘇・大津方面に水源かん養林や貯水池を造
るべきである。休耕田も遊水地として利用できる。白川の
水は川幅を広げて一気に海に流してしまってはいけないの
である。大切な水なのだから。
 大津町では、ゴルフ場問題、産業廃棄物処理場問題等で
地下水の汚染も心配である。

 明午橋から大甲橋への右岸は通称「鶴田公園」と呼ばれ、
今年亡くなられた鶴田絲平さんが40年かけて、私財を投じ、
一人でコツコツと作り上げられたもの。雨の日も風の日も、
毎日手入れをされておられた。今では緑豊かな桜のトンネ
ルができ、熊本市民の憩いの場となっている。
 今回の計画で、その公園の桜並木の外側部分がなくなる
のである。説明では四割がなくなると言われたが、どう考
えても半分以上なくなるのではないかと思われる。

 完成予想図のパンフレットでは、緑色に塗られているが、
コンクリートの上に土を盛り、芝生を植え、ツタをはわせ
て新しい鶴田公園を作るということだが、片翼の傍らに高
い堤防が出来ては、鶴田公園が壊されてしまう。緑色の芝
生やツタは、あの大きな樹木の並木にかわることは出来な
い。

 わたしたち住民は大甲橋通り、明午橋通り、国道3号線
に囲まれ、車の排気ガスから出る二酸化炭素を大量に吸わ
されているが、その二酸化炭素を公園の樹木たちがしっか
りと光合成で酸素に変えてくれている。
 また、ビルに囲まれコンクリート砂漠なのだが、樹木は
気温の調節、保健・休養の役割、虫や鳥などを育むなど、
お金に換算すれば膨大な機能をもっている。国の多額の予
算を使って、それらのものを失うのはどうしても納得でき
ない。
 明午橋・子飼橋間の右岸には藤崎宮があるが、社には大
木が茂り、立派な鎮守の森がある。ところが、そこも工事
される運命になっている。困ったことである。

                   江口紀代


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