墾丁国立公園

1999.04.17. on the air



墾丁国立公園

清朝時代に、広東省潮州から働き盛りの男(壮丁)を連れてきて開墾させ
た土地であることから、墾丁(Kenting)と呼ばれるようになった。

1982年9月、台湾初めての国立公園に指定された。

墾丁森林遊楽区や墾丁海岸などを見てまわるには、墾丁の入口となる恒春
にてタクシーを手配したり、100元/時間ほどのレンタルバイクを手配
し、目的地を絞って回るのがよい。

年間平均気温24度で、植物をはじめ生物種も多く、台湾全土の1/3ほどの
種がこの地域に生息しているという。

龍鑾潭(湖)に飛来するカモ類、森林遊楽区の鳥類(クロガシラなど)
そして、秋に南下する渡りが見られるサシバ(灰面鷲)。

サシバは、中型のタカで、日本や韓国などで繁殖している。これらは秋に
南下を開始し、琉球諸島を経由して、台湾へ。そして屏東縣満州郷里徳村
の山間部に集結し、さらにフィリピン、ボルネオ、セレベス島、マラッカ
諸島、ニューギニアへと渡って行く。

台湾では、10月10日の国慶節のころから10日間ほど、南に渡るサシバの
群が毎日数千羽見られることから「国慶鳥」とも呼ばれている。

またキョン(ヨツメジカ)と呼ばれる、小型のシカなども生息している。

墾丁森林遊楽区には1200種ほどの熱帯植物、鍾乳洞や奇岩などもある。
遊楽区は第一、第二とあるが、後者のほうがややジャングルっぽい。徒歩
で遊歩道をくまなく回るには3、4時間かかる。第二区入口近くにある観
海楼(展望所)からの海の眺めもすばらしい。

南湾は台湾最南端の湾で、原子力発電所がある。600Mほどの砂浜が弧を
描いている。漁獲量も豊富で、よく地引き網漁がみられる。マリンスポー
ツもさかん。

ここから東へ5kmほどのところに、墾丁海水浴場がある。バシー海峡を望
み、背後に大尖石山を配するこの海水浴場は、台湾でもっとも美しい海水
浴場といわれる。

大尖石山(318m)には1300種ほどの熱帯植物のジャングルとともに牛
や羊が放牧されている墾丁牧場(台湾省畜産試験場が経営、敷地は
1149ha)があり、その岩山頂上の形はとてもユニーク。頂上には牧場か
ら歩いて登れる。牧場には土産物ショップがあり、美味しい牛乳で一服い
かが。

青蛙石(高さ61m)は、観海楼から見ると、まさに海に飛び込もうとする
蛙の形に見えることからこの名がついた。このあたりの海は波が穏やか
で、海遊びには最適。

墾丁青年活動中心は、1983年に完成。17棟のミンナン式の伝統的な建築
による宿泊施設が並び、他にも造形の異なる建物からなる。宿泊施設とと
もに、集会、訓練施設をもち、約400人が宿泊可。

台湾最南端の岬である鵝鑾鼻(ガランピ)は遊歩道が整備され、灯台から
の眺めは、台湾八景のひとつに数えられている。

ここから湾をはさんだ西側の岬が猫頭頭。波の侵食によってできた奇岩が
ならび、その一つが「猫がうずくまっているようにみえる」ことから、こ
の名がついた。

奇岩で有名なところでは、恒春半島の東に位置する佳楽水もある。こちら
は黒潮に洗われて、波も高く、大型の回遊魚やイセエビやアワビもとれる
が、波が高いので、海に出るときはくれぐれも注意。


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